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世界遺産に認定されたアルブラ線のベルギューン駅前に
鉄道の貴重な歴史と文化を伝える「アルブラ鉄道博物館」オープン

山々に囲まれたアルブラ谷にあるベルギューン。レーティッシュ鉄道アルブラ線とともに沿線の周辺風景として世界遺産に認定されている山村です。ループトンネルが連続する区間で、車窓から何度もみえる印象的なポイント。昨年、新しく改装したベルギューン駅前の広場に「アルブラ鉄道博物館 Bahnmuseum Albula」が誕生。2012年6月2日にオープンしました。

駅前にあるかつての武器庫の建物を全面改修してつくられる博物館は、地下がシャウデポ(展示車庫)となり車両や線路などがそのまま展示されます。レーティッシュ鉄道の駅員室やベルギューン・フィリズール観光局のオフィスも併設される1階には、<時刻表><ロイヤル・トレイン(王侯貴族が楽しんだサロン列車)>など、年に2回ほど予定されている特別企画展とジオラマ模型ゾーン。ベルンハルト・ターヌッツァー氏が手がけるジオラマは、1950年〜60年代のアルブラ線の状況をディテールまでこだわり完全に再現した大作です。

2階は常設展。約850 m2 の展示スペースで、数々のトンネルや跨線橋があるアルブラ線の困難な工事の歴史や、同じく世界遺産の鉄道ベルニナ線など、レーティッシュ鉄道全体の歴史と文化を紹介していきます。古い時刻表やポスター、写真など貴重な資料展示はもちろん充実していますが、ただ見るだけでない体験型の展示として各コーナーにさまざまな工夫がこらされています。

体験型アトラクションのひとつが、博物館の建物前にある運転シュミレーター。50年以上アルブラ線で活躍した後、1994年からベルギューン駅前にモニュメントとして展示されていたGe6/6形電気機関車407号「クロコダイルKrokodil」を改修し、運転席に最新の技術を組み合わせてシュミレーターに改修。1919年にアルブラ線が電化された時にあわせレーティッシュ鉄道が注文製造した最初の6両のうちのひとつで、車両自体も重要な歴史遺産です。ベルン工科・情報科学専門大学で鉄道技術を研究するハンスユルク・ローラー教授の協力で実現した注目のアトラクション。歴史的な車両の運転席でアルブラ谷の風景を走る特別な体験が楽しめます。

また1階の入口横にショップとともにつくられるビュッフェ(レストラン)にも注目です。さまざまな列車の食堂車やサロン車両で実際に使われていた座席がそのまま使われる特別なつくり。こだわりのメニューとして、グラウビュンデン州の郷土料理や国際的な料理のほか、レーティッシュ鉄道と同じく鉄道として世界遺産認定をうけているダージリン・ヒマラヤ鉄道とセンメリング鉄道にちなんで、紅茶のダージリングティー、モーンヌーデルン(ケシの実の粉をまぶした甘いヌードル)、さらには、レーティッシュ鉄道の駅員・作業員たちに受け継がれてきた伝統のまかない料理(シチュー)も予定しています。

今までにない規模で、世界遺産の鉄道の歴史と奥深い文化を体感できる博物館は、鉄道ファンでなくても訪ねてみたい新スポットです。人気の絶景路線の一部でもあり、アクセスも便利な駅前施設なので、ちょっとベルギューン駅で途中下車してみてはいかがでしょう。

OPEN:通年(11月をのぞく)/月曜休館

     
関連地域マップ
グラウビュンデン地方
Bahnmuseum Albula(独語のみ)
世界遺産「レーティッシュ鉄道アルブラ線/ベルニナ線と周辺の景観」
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