スイスのカーニバル(謝肉祭) Fasnacht/Carnaval/Carnevale |
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ラテン語のカルネムCarnem(肉)+レヴァーレlevare(軽くする/控える)が語源といわれるカーニバルCarnival。ヨーロッパ各地でおこなわれていますが、もともとはキリスト教のイースター*関連のお祭りで、四旬節*の間、キリスト教徒が断食をしたり肉食を控えたりすることから、その苦行の前に食べて騒ごうというもの。通常は、四旬節*が始まる灰の水曜日の前の木曜日から前日の火曜日までが、カーニバルの期間とされていますが、地元の祭りや風習と結びついて発展したスイスのカーニバルでは灰の水曜日の前後から始まるところもあります。
スイスのドイツ語圏ではファスナハトFasnacht、フランス語圏でカルナヴァルCarnaval、イタリア語圏でカルネヴァーレCarnevaleと呼ばれています。現在は多くの場所で宗教色は薄くなり、その土地に伝わる風習や祭りなどと混ざって、特徴のあるユニークなお祭りになっています。 イースター関連のイベントのため、毎年開催日が変動しますが、春の訪れを感じさせるイースターに対して、その約46日前に開催されるカーニバルは、冬の終わりの時期の祭りというイメージがあります。雪深い山里の多いスイスでは、待ち遠しい春の到来を願って、大きな音を立てて冬の悪魔を追い払う風習が多く、カーニバルでも太鼓や笛など、めちゃくちゃなリズムで大きな音をならしてパレードするのが定番になりました。「グッゲンムジークGuggenmusik」または「グッゲGugge」と呼ばれるカーニバルの時の音楽はパレードの時の名物です。 この時期には、スイス各地でカーニバルと地元の伝統・風習をあわせた多彩な祭りが開催されています。とくにバーゼル、ルツェルン、ベルンのカーニバルは有名です。レッチェンタール(レッチェン谷)では、木彫りの恐い風貌のお面を被って悪霊(または冬の悪魔)を追い払うという風習をルーツにもつ、日本のなまはげによく似た祭りが開催されます。また、イタリア語圏のティチーノ州ではリゾットなどを大鍋でつくりみんなに振る舞うという「リゾッタータ」という祭りがおこなわれます。 |
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