マッターホルン初登頂150周年 150 years first ascent of the Matterhorn - スイス政府観光局

マッターホルン初登頂150周年
150 years first ascent of the Matterhorn

Zermatt 150 Jubiläum

フランス語では「セルヴァンCervin 」、イタリア語で「チェルヴィーノCervino」と呼ばれる、アルプスの名峰マッターホルン。スイスには珍しい独立峰で、その鋭角に聳える山の美しい姿 や、アルプスやスイスを象徴する山であることから、日本における富士山のような存在といわれています。英国人エドワード・ウィンパーが難攻不落といわれた マッターホルンへの初登頂を果たした1865年から数えて150周年となる2015年は、伝説の山小屋「ヘルンリヒュッテ」がリニューアルオープンすると ともに、麓の山村ツェルマットを中心にさまざまな記念事業やイベントが予定されています。

150th Anniversary of First Matterhorn Ascent in 2015ツェルマットの情報

名峰マッターホルンへの挑戦
アルピニズム黄金期。1786年のモンブラン、1811年のユングフラウなど4000m級の有名な山々が次々と制覇されていくなか、多くの挑戦者たちが命を落とすという悲劇もあり、マッターホルンへの挑戦はしばらく続きました。そんな難攻不落といわれた山を征服したのは若き芸術家エドワード・ウィンパーEdward Whymper(1840~1911)。最初にウィンパーがアルプスを訪れたのは1860年、弱冠20歳の頃でした。

挿絵画家でもあった彼は、スイスとイタリアの国境にある美しい山を描くよう、ロンドンの出版社の依頼を受けてやってきました。そこでアルピニズムに惹かれていった彼はまだ誰も成し得ていなかったマッターホルン初登頂をめざします。何人もの登山家たちがさまざまな登攀ルートで山頂へ挑みました。何度か挑戦して、時には滑落したこともあったウィンパーはついに、1865年7月14日、ウィンパーは山岳ガイドのミシェル・クロ、タウグヴァルター父子、チャールズ・ハドソン、フランシス・ダグラス卿など7人のメンバーとともに、初登頂の偉業を成し遂げました。彼らが選んだヘルンリ尾根(ヘルンリ稜)を通る道は、今でも多くの登山家たちに愛される最も有名な登攀ルートとなっています。残念ながら登頂を果たした仲間のうち4人は下山の途中に落下して死亡。その悲劇のロープ(ザイール)は、現在、マッターホルン登山の歴史をさまざまな角度から紹介する「マッターホルン博物館」に展示されています。追悼の意をこめて、150年目となる2015年7月14日、マッターホルンは閉山する予定です。

伝説の山小屋「ヘルンリヒュッテ」リニューアルオープン
ピラミッドのように聳える名峰マッターホルン。1865年に英国人エドワード・ウィンパーが初登頂を果たした登攀ルートとしても知られるヘルンリ稜(北東稜)の麓にある「ヘルンリヒュッテ(ヘルンリ小屋)Hornlihutte(3260 m)」はマッターホルン登山の拠点として最も有名な山小屋です。ウィンパーの初登攀から15年後の1880年にスイス山岳会・モンテローザ支部により創設されました。開設当初は定員わずか17人という小さな小屋でしたが、何度も改修・拡張を繰り返し、1982年の工事で定員170名の山小屋となりました。1911年にはツェルマット村が隣に「ベルグハウス・マッターホルン Berghaus Mattehorn(当時の名はベルヴェデーレBelvedere)」を建てました。2つの小屋はそれぞれ運営・管理を別におこなっていましたが、1987年からはスイス山岳会とツェルマット村の共同で運営・管理しています。
マッターホルンをめざす登山客で常ににぎわっており、夏だけでも来訪者が200人を超えるほど。アクセスが良いこともあり、最近では登山家や山岳ガイドだけではなく、テラスからの眺望を楽しむ日帰り客なども増え続けています。そんな歴史と伝統を誇る山小屋が、150周年記念のリニューアルオープンをめざし、2013年から大改修工事に取り組んでいます。未来型の山小屋として生まれ変わるため、ゴミ処理、水の確保、エコ発電などに環境に留意した最新鋭の山岳建築技術を導入。水まわりや電気などの設備をより快適に整備して生まれ変わります。130年以上たった山小屋は完全に建て替え、1911年から隣接して建てられた「ベルグハウス・マッターホルン Berghaus Mattehorn(当時の名はベルヴェデーレBelvedere)」は外壁を改修し直結します。

以前は基本的に雑魚寝となる典型的な山小屋でしたが、2015年7月15日にオープン予定の新ヘルンリヒュッテは、それぞれ宿泊棟をそれぞれ小部屋に仕切り、静かにくつろげる6人部屋(共同)と2人部屋(個室)をご用意しました。ここまでの絶景を楽しめるダブルルームは他にありません。登山家でなくても一度体験したいところです。すでにオンラインでの予約がスタートしています。マッターホルン登攀をめざす登山家でない場合はHikerにチェック。オンラインでの予約は72時間前まで受け付けていますが部屋数に限りのあり、唯一無二の宿泊場所なので予約はとにかくお早めに。6人部屋が一人150CHF から、2人部屋は450CHFから。宿泊料金に予約料金50CHFが含まれます(予約キャンセルの場合も50CHF は返金しません)。
Hornlihutte Zermatt Foundation - Reservation

野外劇「マッターホルン・ストーリー The Matterhorn Story
マッターホルン初登頂150周年を記念して、ゴルナーグラートへ上る手前にあるリッフェルベルク(標高2600m)を舞台に、ツェルマット初となるスペシャル野外劇が開催されます。年々規模を拡大させ、今年はアナスタシアやジェームス・ブラントなどが参加する音楽祭「ツェルマット・アンプラグド」を運営する「トム・タレント・エンターテイメント株式会社 Tom Talent Entertainment AG」が公演を担当。プロの役者に加えて地元住民も参加して、迫力のあるマッターホルンの眺望で知られるリッフェルベルクに設置した特設舞台で、実際のマッターホルンを背景に150年前の初登頂の物語を振り返ります。
悲劇的でもあり感動的なこのアルプスの偉業にまつわる実話は、険しく聳える名峰に挑んだ人々の、友情と競争、愛や死、迷いや神への畏敬の念など、さまざまなヒューマンドラマがつまっています。公演時間は約90分(休憩なし)。劇は独特のヴァレー方言のドイツ語、ドイツ語、英語でおこなわれますが、各シーンの概略をフランス語、ポルトガル語、韓国語、日本語でまとめたものを配布予定。また世界共通言語である音楽を演出に盛り込み、感動的な舞台をもりあげます。

公演日は2015年7月9日~8月29日の水曜~日曜。開演は19:30(日曜のみ14:00)。全700席ですが、前列のプレミアム席(129CHF / 約15500円)と後列のクラシック席(99CHF / 約12000円)に分かれています。すでに前売り販売はスタートしており、オンラインで座席を指定して予約・購入できます。団体割引もあり。ツェルマット観光局ではクラシック席での公演チケットとゴルナーグラート鉄道の乗車券、マッターホルンミュージアムの入場券、ホテル宿泊をセットにしたパッケージを販売しています。価格は選択するホテルによっても異なりますが、一人あたり221.6CHF(約27000円)から。かなりお得なパッケージです。Freilichtspiele Zermatt/Book tickets (チケット購入)Zermatt Tourismus Package The Matterhorn Story (ツェルマット観光局/マッターホルン・ストーリーパッケージ)
マムート・マッターホルン・コレクション Mammut Matterhorn Collection
ハンドメイドの山岳用ロープの製造業者として1862年に創業した老舗ブランド「マムートMAMMUT」。現在ではハイキングなどのアウトドアシーンから、カジュアルなタウンユースまで品揃えも豊富に、幅広い層のユーザーに愛用されていますが、ルーツというべき登山に関する深い知識と経験をいかしたグッズやウェアは、あらゆる環境に適応した機能的かつ高品質な製品として広く評価されています。今日のアルプス登山の礎を築いたマッターホルン初登頂の偉業は、"スイスの伝統と山への情熱"を象徴するものとして、まさに「マムート」の企業理念と連動するということで、現地ツェルマットをはじめ世界各国でさまざまなイベントをおこなうとともに、初登頂150周年を記念したスペシャル商品「マッターホルン・コレクション」をリリースしました。
「マッターホルン・コレクション」は、最も美しく見えるといわれるヘルンリ稜を正面にみる印象的なマッターホルンの姿をシンボルマークとしてエンブレム(ワッペン)に使用。マッターホルンの岩の色を表すグラファイト(黒鉛)、150年前に使用していた麻のロープの色とアルピニズム黄金期をイメージしたゴールド(金)、スイスを象徴するレッド(赤)の三色をコンセプトカラーにした特別なラインナップです。ジャケットやポロシャツ、Tシャツ、登山靴、リュックサックからウェストポーチ、ディパック、財布などの小物まで、さまざまなスペシャルモデルがそろっています。マムート/マッターホルンコレクション
マムート・マッターホルンプロジェクト Mammut Matterhorn Calling
マッターホルン初登頂150周年スペシャル企画として、昨年から「マムート」ではさまざまな登山関連イベント、プロジェクトをおこなっています。その中のひとつが「キービジュアル・シューティング Key Visual Shooting」。昨年の秋、マムートとツェルマットのガイド達が、ウィンパーたちの初登頂ルートをたどり、ヘルンリ陵をヘッドランプで彩りました。一見すると合成写真?と思われるものですが、実際に撮影されたもの。その時のメイキング映像がyoutubeにアップされています。You Tube Video/ Key Visual Shooting

もうひとつユニークなプロジェクトが「Project 360」。自宅にいながらマッターホルンのヘルンリ陵登攀を特設ウェブサイトでバーチャル体験できます。伝説の山小屋ヘルンリヒュッテを出発して、ウィンパー達が150年前に挑んだルートを同じように登ってみましょう。ルートのシュミレーターのほか、登攀の美しいフィルムもあります。無料のiPhone/iPadアプリ(英語)もリリースされています。Mammut/ Project360iPhone/iPadアプリ:Mammut/ Project360

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